2009-01-19

BRM111: Report 2/3

1 月 11 日

BRM111 当日。4:30 起床。きのう買ったおにぎりを食べてゆっくり着替えてまだ夜も明けぬ 5:05 出走。日本平は 30 分かけてゆっくり登る。はじめ AJ 静岡はなんでこんなところを Start/Goal にしたのかと思ったけど、登りながらそのわけがわかった。清水の街の夜景が絶景 (このときの写真はなし)。

暗闇のスタート地点5:49 日本平駐車場着。すでにランドヌールが集まり、受付がはじまっていた。自分の受付と検車を終えると、出走リストを眺めて知り合いを探す。あれ? リュウさんエントリーしてないのか。しかしこの暗闇と人数では知り合いも探せないよなー。あとでスタッフに聞いたところによると、出走は最終的に 105 人だったとのこと。ひとつ残しておいたおにぎりをほおばり、ちかくの自販機で買ったお汁粉とお茶を飲んでスタート前の最後の補給をしてウロウロしていると、ヘルメットライトの明かりにけいたさんが浮かび上がる。こんな暗闇で見つけられるとは。

ブリーフィング時には夜が明けてきたそうこうするうちに空が白みはじめてひとの顔が見分けられるようになって境川のmasa さん発見。ごあいさつ。

シングルスピードに跨がっている人を発見して、「すごいですねー」と声をかけると、自転車本体の話にはならず、7 とおなじヘルメット Giro Ionos に取り付けられるライト談義に。

ブリーフィング後 7:00 出走。200km のためか小径の方もたくさん見受けられたので、しょっぱなの下りは先頭付近で下ったほうがいいかな、と 10 人目くらいでスタート。ところが富士山と清水の街並、駿河湾の眺めに目を奪われて思わず立ち止まってしまう。

清水の街と駿河湾、富士山に見送られてスタート

すみません、ほんとはもっといい撮影ポイントがあったけどスルーしました。

順調に下りをこなし、キューシート No.9 付近、港橋を渡ったところでふとポケットに手を入れたときにブルベカードを落としているのに気づく。昨年の千葉 200km を走ったときにもらった首からさげられるカードケースが出かけに見つからず、ジップロックで代用していた。これは以前 chicoryn と走っていたときもさんざん危ないと指摘されていたけれどもとうとうやってしまった。落としたのは日本平の下りで風圧にやられたか、カメラを取り出したときだろうとあたりをつけてあわてて逆走する。すれちがうランドヌールたちは一様に不思議そうな顔をする。恥ずかしい。けいたさんや境川のmasa さんともすれちがう。清水の街中の信号が煩わしい。あれをまた登るのだろうかとか、見つからなかったら再発行してもらえるだろうかとか、もし再発行してもらえるとして 8:00 の最終出走には間に合うだろうかとかいろいろ考えた。と、ケータイに着信が。すぐには出られなかったけどもしや、と思って停車してかけなおしてみる。

親切なランドヌールが 7 のブルベカードを拾って連絡をくださった。

日本平の登り口にいるとのこと。ちょうど 7 もその信号が見えるところにいたのでそこで待っていただいた。2 人組の方で、ひとりはアニメ絵が描かれたディスクホイールを履いていた。ひとしきりお礼を申し上げた。もうほぼ集団全員が走り去ったあとだ。脚に自信があるのか、日本平の眺めを写真に収めていておそくなったのだとか。そして実際にとても速いひとたちだった。それを思い知らされたのは PC1-PC2 間だった。

とにかく遅れを取り戻そうと焦っていた。ついてきているだろうと思っていたブルベカードを拾っていただいたおふたりを恩知らずにもちぎってしまっていた。

凍りつくミラーPC1 まで一人旅。標高があがってくると景色も凍てついてくる。茶畑には霜が降り、ミラーは凍り付いてその機能を果たしていたなかった。

前方にランドヌールが見えるとすこし元気が沸いてくる。登りで数人パスした。

K196 に出ると PC1 から折り返してくるランドヌールが激励してくれる。境川のmasa さんともすれちがった。

PC18:39 有人の PC1 をチェック。と、傍らにピンクの Cherubim。ありを見わたすと、J 野さん発見。声をかけて新年のご挨拶。J 野さんがいるということは…とさらに見わたすと、やっぱりいた、S 原さん。kanatrek さんもいっしょだ。もうひとり女性もいっしょのようだ。あとで聞いた話だけれども、トライアスリートなのだとか。

J 「chicoryn はー?」

7 が J 野さんを見つけたときに S 原さんを探したように、J 野さんも 7 を見つけたときに chicoryn がいっしょだと思ったのだろう。

7 「じつはかくかくしかじかで、年末から自転車に乗れていないのです。きのうようやくちょっぴり乗ったみたいです。」

まもなくしてブルベカードを拾ってくださったおふたりも到着した。

S 原さん一行が出発したのを見送って、すぐに 7 も出発。まもなく S 原さん列車を発見。やっぱり S 原さんすごいなー。牽きがすごく力強い。ほんと機関車。ちょっとだけ後ろにつかせてもらったけど、S 原さん列車には女性陣が連結されていることもあってかペースが合わず、パスさせてもらう。

PC2 までは常に富士山に見守れながら走る

その後ブルベカードを拾っていただいたおふたりになんどか抜きつ抜かれつ。やっぱり速いひとたちだ。

とちゅう PBP のベストを着た方とランデヴー。2007 年の PBP を完走されたのだとか。
  • フランスは信号がない。交差点はほとんどロータリー
  • PC 間まったく足つきしなかったところもあったほど
  • 路面は云うほど悪くない。むしろいいほうだと思う
  • コース上には矢印が設置されていて、ほとんど迷うことはなかった
おしゃべりをしながら走っていたらいきなりガス欠。遅れを取り戻そうと焦っていたことと、PC1 がコンビニではなかったこともあってハンガーノックに陥ってしまった。朝食も充分ではなかったかもしれない。PBP な方には先に行ってもらい、立ち止まってポケットの補給食をむしゃむしゃ食べる。S 原さん列車にパスされた。しばらく補給食が消化されはじめるのを待って再出発。

と、白糸の滝までの登りで前方に J 野さんがひとりで走っているのを発見。

7 「S 原さんたちはどうしたんですかー?」
J 「登りはおそいのでほかのひとには先に行ってもらったんですー」

J 野さんを牽いて登る。やっぱりすぐ近くで S 原さんが待っていた。

7 「お連れしましたー」
J 「chicoryn でーす」

吹いたw S 原さんと合流後は S 原さんとおしゃべりしながら登りをこなす。と、PC2 手前 800m ほどで J 野さんがついてきていないことに気づく。S 原さんは立ち止まって待ち、7 は先に失礼させていただいた。

10:53 PC2 をチェック。ここはコンビニなので、まえの駐車場ではランドヌールたちがおのおのしっかりした食事をとっていた。AJ 静岡のスタッフもいて、

「ブルベカードちゃんと持ってる?」「レシートなくしちゃダメだよ」

ああ、今日は最後まで云われるなw

トイレも混んでいたのでここはスルー、S 原さん一行に失礼をしてそそくさと PC2 出る。すぐにコースアウトして近くの焼きそば店に転がり込む。暖かい部屋、腰をおろせる椅子、混んでいないトイレ、イヤッホウ!! 焼きそば 2 人前を注文してトイレへ駆け込む。

昼食ポイント焼きそば調理中
本場の富士宮焼きそば

トイレを出ると、おかあさん焼きそばを調理中。客は 7 ひとり。ついてる。暖かい部屋で温かい焼きそばを食べられる。しあわせー♪ で、やっぱり外に出ると寒さにひるむ。ここからは長い長い下り。ウインドブレイカーを着込む。今回グローヴは Rapha Leather Town Grove 1 枚だったけど、ぎりぎりガマンできる寒さだった。インナーグローヴをしたほうがこのくだりは快適だったかもしれないけれども、それ以外のところではどうだったかわからない。ほかに寒さ対策として靴下を 2 枚履きしたが、これがよくなかった。靴擦れをつくってしまった。CW-X ロングソックスのうえに寒さを恐れて厚手の靴下をもう一枚履いた。薄手のものならよかったのかもしれない。ウインドブレイカーを着たのはここの下り 1 個所だけ。ウェアのチョイスはベストだったかも。往復の自走はちと暑かったけど。

富士宮の鳥居越しに富士山と寒い時期のダウンヒルは冷えてあちこちがコる。

富士川に出ると、清水まで慣れた路。きのうも通った路だ。向かい風の海岸沿いを進んで行き、由比をすぎて寺尾の交差点を渡って、さきの自転車道へあがるための短い急坂のためにフロントをインナーに落とし…あれ? なんだかようすがへんだ。お、S 原さんご一行。どうやら上着を脱いでいるところだった。由比興津間の自転車道を走りながら気がついた。

「シフトワイヤーが切れている」

リアがトップに入ったまま吽とも寸とも云わない。あーどうしよう。チェーンはねじれるし、平地はともかく登りはこんなんじゃこなせない。あと 3 つか 4 つ登りが残っていたはず。最後の日本平は押しになるかもなー。てかいま清水に向かっているところだ。手前で折れて郊外へ出るコースだ。リタイヤするならいまがいちばんのタイミングだ。Blog のタイトルはどうするかなー。やぱ「初戦敗退」かな。

と、ギアが固定されていることと向かい風といろんなことを考えているせいでペースがあがらず。そうこうしているうちに辻の交差点で S 原さんご一行到着。シフトワイヤーが切れて困っていることをお話しする。S 原さんはフロントのシフトワイヤーを抜いて繋ぎ換えたらどうかと提案してくださった。目の前のミニストップにほとんどのランドヌールが吸い込まれて行く。PC2-PC3 間は距離が長く、ここがほぼ中間地点でこれから郊外に出るのでここで補給するひとが多いのだろう。S 原さんたちもここで休憩するようだ。

7 はランドヌールたちがおのおの休憩をとっている傍らで自転車の様子を見てみる。どうやらディレイラーからワイヤーがすっぽ抜けたみたい。ワイヤーの端面も切れたかんじではない。でもプライヤーを持ってないからどうにもなんないよなー。途方に暮れていると Kanatrek さんと J 野さんがそれぞれいらして、

K, J「申し訳ないけど、お先に失礼しますね。」
7「どうぞどうぞ。お気をつけて」

あーあ。でも仕方ないよなあ。

この間、まったく写真なし。テンパってそんな余裕がなかった。湘南の masa さんなら確実に写真を残して Blog のネタにするもんなあ。トラブルを楽しむ余裕なんてなかった。

某 SNS にトラブルのご報告の後、ケータイの Google で近くの自転車屋さんを検索してみる。さいわいここは清水の街中だ。モリさんも SNS の書き込みを見て探してくださっていた。どうやら駅の向こう側に 1 軒あるようだ。電話をしてこちらの状況を伝えてみると、とにかく持ってこい、見るだけ見てみるとのこと。電話を切ったところに Kanatrek さんが戻っていらした。

K 「7 さん、この先のコース上にロードも扱っている自転車屋さんがあるよ! 300m くらいのところ、左側!」
7 「ホントですか?! ありがとうございます!!」

わざわざ戻ってきてくださったのだ。いま電話をかけた自転車店にもう一度かけなおし、なんとかなりそうだと伝えて走り出す。見落とさないように気をつけながらそろそろと走る。見つけた。

自転車店発見カンパのワイヤーは置いていなかったけど、シマノのワイヤーで代用した。よかった。これで完走できる。

ええと今年 Kanatrek さんが担当される BRM は…と、…まだ決まっていないのかな。担当者が空欄の BRM がある。いずれにせよお礼代わりに参加させてもらわなくちゃ。

ずいぶん時間を食っちゃったけど、とりあえずは時間内に完走できそうだ。そうだ、完走後に 4OUR と呑む約束をしていたんだ。19:00 清水駅の約束を 20:00 に変更してもらうメイルをした。

と、その後おなじようなペースで走るランドヌールといっしょに走る。おしゃべりすると、遅刻して 40 分遅れでスタート、PC1 のチェックは間に合ったものの PC2 は 10 分遅れでタイムオーヴァーしてしまったとのこと。でもそこでゴールをあきらめるのではなくて、完走を目指しているのだそうだ。あとで知ることになるのだけれども、2008 年度トリプル SR の sakakaze さんだった。そしてこれもまたのちに知ることになるのだけれども、同宿で前後泊し、7 とおなじく往復自走だったのだそうだ。7 は文京区から片道 180km 程度だけれども、sakakaze さんは船橋から片道 250km (夜間にミスコースして箱根を 2 回登ったらしいけど)。ブルベと合わせて 3 日間で 700km 走ったことになる。トリプル SR は伊達ではない。

いろいろテンパっていて行きそびれていたトイレがガマンできなくなってきた。ちょうどいい「連れ」だけれどもはじめに見つけたコンビニでトイレ休憩をしようと決めて、sakakaze さんとはいったん別れた。その後ふたたびひとり旅。

富士川からずっと向かい風。向きを変えてもなぜか向かい風。安倍川上流の曙橋へ向かう登りでも向かい風。折り返して下りでもなぜか向かい風。下っているはずなのに踏んでも踏んでも進まない。と、ふたたび sakakaze さんとランデヴー。こんどは sakakaze さんがキューシートをひっくり返すとのことで立ち止まる。7 はお先に失礼させてもらった。

日が落ちかけたなか、後半最大の山場、西又峠への登り。ここでも何人かのランドヌールをパスした。ピークに到着すると、ポケットのソイジョイとミニ羊羹をほおばる。今回、PC がコンビニでなかったこととトラブルでテンパったこととで補給がほんとうにむずかしかった。寒くて汗をかかなかったせいで水もほとんど飲まなかった。

あとは PC3 の玉露の里までえいやっと下る。PC になっている道の駅はもう閉館時間だった。下りで冷えた身体を自販機のドリンクで温める。

7 「あと何人くらいのこっていますか?」
スタッフ「あと 15 人くらいですねー」

今回 105 人出走と聞いていたので、ずいぶんうしろのほうに取り残されたものだ。PC3 を離れようとしたところに sakakaze さん到着。スタッフの方が「さすが、だいぶ挽回しましたねー」。そのときは「有名なひとなのかな? やっぱり速いひとなんだ」ていどに思っていた。まさかトリプル SR の sakakaze さんとはつゆ知らず。

残りのコース上には宇津ノ谷峠と「峠」と名がついている個所があるけれど、それはほんの出っ張りていど。コースも大半は海岸沿いを東に向かって走る。いままで西風に向かって走ったんだから、ここは追い風。しかし日が暮れていることもあってキューシート No. 82 の信号を見落とした気がして不安になる。つい後ろを走っていたふたり組のランドヌールに声をかけて確認してしまった。立ち止まらせてしまってごめんなさい。

日本平の登り口までおふたりとはいっしょだったけれども、おふたりは 2-3 分休んでから登るらしく、先に失礼しさせていただいた。朝登ったときは真っ暗ななかを登ってきたけれど、この帰りは月明かりで案外見える。ここでも何人かのランドヌールをパスした。

18:49 ゴール。10 時間切りどころか 12 時間近くかかってしまった。

スタッフ「ブルベカードちゃんと持ってる?」
7 「持ってます!!」
スタッフ「レシートちゃんと持ってる? PC3 で落としたなんてことないでしょうね?」
7 「あります!! たぶん…」

思わず確認してしまった。だいじょうぶ。ちゃんとある。

ゴールの手続き後、スタッフの用意してくれたスープにありつく。補給がうまくできなくて腹ぺこだったところにスープの塩味が胃にしみる。「空腹は最高のスパイスである」は至言だ。7 が帰るところで sakakaze さんがゴールの手続きをしているところだった。帰りは駿河湾に写る月光と清水の夜景を観ながらダウンヒル。凍えた。

日本平からの夜景

宿へ戻っていそいで風呂を浴び、清水駅へ。10 分ほど遅刻してしまった。4OUR が凍えながら待っていてくれた。近くの居酒屋へ転がり込んで祝杯をあげる。

かんぱーい200km のブルベだったけれども、今回のゴールは感慨深い。シフトワイヤーが切れたのはアンラッキーだったけれども、切れたのがブレーキワイヤーでなかったのはラッキーだし、切れた地点もおおきな街の手前だったのもラッキー、ディレイラーがトップで固定されたまま走らなければならなかったのも平坦区間だけだったのはラッキーだ。そして今回もまた何人ものランドヌールに助けられた。スタッフの方々にも感謝だ。そしてなによりもわざわざ浜松から祝杯をあげにきてくれた 4OUR にも感謝したい (居酒屋にいた時間の半分はさいきんできたガールフレンドの惚気話だったけれども)。

トラブルだけを見ると BRM2009 の出端をくじかれたように見えるけれども、結果的にどれも解決できたことは幸先がいいとも云える。

# と楽観視しておこうw

前後泊して懐にやさしくないブルベになってしまったけれども、得るものはたくさんたくさんあったと思う。

走行ログ
Dst. 209.22km
Ave. 22.3km/h

4 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。

    焼きそばがおいしそうです。2人前をしっかり注文しているのはさすがです。自転車乗りは沢山食べますからね~^^

    前後泊してはいますが、往復新幹線輪行の費用と比べればそんなに高くはないと思います。

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  2. >> sakakaze さん
    > 焼きそばがおいしそうです。

    おいしかったですよー♪ このために静岡のブルベに参加したようなものです。

    > 2人前をしっかり注文しているのはさすがです。

    こうみえて大飯喰らいなんです。なので食費もかさんでます (^^;

    >

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  3. こんばんは。
    No.82の手前で声をかけて頂いた2人組の1人
    ライオンKと申します。
    東京から自走するとはすごい人がいるなーと
    ブログを読ませて頂いていると、自分たちが
    登場してびっくりしました。
    僕は初ブルベで、楽しく走ることができました。
    またお会いすることがありましたら、
    宜しくお願い致します。
    バイクは黄色のスーパーコルサでしょうか。

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  4. こんばんはっ > ライオンK さん

    その節はお世話になりました <(_ _)> > No.82 手前
    7 も去年はじめたばかりのひよっこです。やっとよちよち歩きができるようになりました。

    > バイクは黄色のスーパーコルサでしょうか。

    はいっ、そのとおりです。いまエルゴパワーの調子が悪くて入院中で、寂しい思いをしています。

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