2008-05-11

250km for a friend: summary

例によって 1 週間まえの日記。

じつは自転車で浜松には、5 年前にも行ったことがある。そのときもゴールデンウィークだった。当時は非力で、箱根の道の駅で一泊した。1 日目の朝に出発して、翌日の午後に着いた。それでも楽しかった。箱根越えでは横浜でメッセンジャーをしていると云う MTB 乗りとも逢い、励ましあって登った。そしてその彼とはおなじ年の秋、BFF で再会する。

今回はブルベの 400 も完走して自信もついていたので、前夜に出発、翌日の昼に着と云う予定。前回は自転車にキャリアをつけたけど、今回はちいさなバックパック、CW-X RIDE に詰められるだけに荷物にまとめた。

今回も 5 年前と同様、学生時代の友人、もんちゃんを訪ねに行く。まえのエントリーにも書いたけど、ライヴを演るっていうんで、ゴールデンウイークってこともあって聴きに行く。これが主たる目的。さいきん彼はおれの影響もあってか自転車にハマっている。つい 1 週間前に GIOS のシクロクロスが納車されたばかり。ライヴの次の日はいっしょにサイクリングをする予定。

22:00 出発。この写真を撮ったあと、サングラスを忘れたことに気づいてあわててとりに引き返す。

戸塚まで R1 を快調に走るも、いきなりリアがパンク。タイヤを調べてみると、小さなガラス片を踏んでいた。日中降った雨でまだ飛散物が乾いていなくて、それをひろって徐々に食い込んでいったかんじ。いちど停まってしまうと集中力が切れてしまう。しかもこんな手前で。パンク修理でも消耗してしまった。1 回目の休憩はもうちょっと先でとるつもりだったけど、いつも湘南方面からか帰って来るときに、境川サイクリングロードから大船へ抜けるときにこの R1 と交差するところにある am/pm で立ち止まった。

気を取り直してペダルを踏むも、国府津を過ぎたあたりで 2 度目のパンク。こんどはフロント。ロングライドということでいつもは 1 本しか持たないチューブを 2 本持ってきていたけど、早くも使いきってしまった。保険がなくなるといきなり不安になってしまう。近くに電車が走っていれば輪行することもできるけど、これから箱根越えが待ち構えている。この時点ですでに 3:00。

2 度のパンクですこし気が焦っている。小田原ですこし長めに休憩をして落ち着かせて、箱根越えに挑む。朝方の箱根は誰ひとり通らず、自分のたてる音——息づかい、チェーンのひとコマひとコマが立てる音——しか聞こえず、感覚が研ぎ澄まされていく。この感じがたまらなくて、夜間単独走行はやめられない。最近なかなか機会がなかったけど。

沼津 400 のために手配した炭坑夫 (© chicoryn) グッズ、PETZL TIKKA XP は当日に間にあわず、今回初めてつかった。L2D をヘルメットに留めるよりも軽く、専用品ということで操作も容易、明るさも充分でひじょうに快適だった。夜中の箱根越えにもとても役立った。ただ、単 4 電池 3 本と云う中途半端な数が玉にキズか。

山頂に近づくに連れて空は明るみ、国道一号最高地点にたどり着いたときにはすっかり夜も明けてしまった。ここにはしばらく来ていなかった。5 年前ここに来たときには何度も足をついてしまった。それでもこの看板を見たときの感動は忘れない。うちからは R246 をつかって三島に抜けたほうが距離も短いし、この峠越えを回避できる。でもあのときの感動を思い出したくてここへやってきた。

芦ノ湖のセブンイレブンで軽く朝食をとる。ドリップコーヒーをやってくれているのはありがたい。どこのコンビニでもやってくれればいいのに。身体が冷える前に箱根峠に向けてこぎだす。芦ノ湖の小さな道の駅に立ち寄る。5 年前はここで夜を明かした。三島への下りでは、登って来るサイクリストに何人も逢った。朝早いなあ。

5 年前とおなじく三島を越え、八幡で R1 を外れ、K380 に入る。このまま直進すると、このあいだの沼津 400 で走ったコースに入る。こんな短い期間に何度もここを走ることになるとは思わなかったよ。と、試走のときもブルベ当日も立ち止まれなかった昭和放水路で写真を撮る。



うむー、この雰囲気、オレの腕が悪いのか写真じゃ伝わらないなあ。

富士川を越えると、今月末に開催される、沼津 600 のコースに入る。とはいえ、清水までは 5 年前とおなじコース。記憶を辿りながら進む。蒲原を過ぎて、東名高速道路のガードをくぐると Y 字分岐にあたる。沼津 600 のコースは右の本道だけど、5 年前とおなじ左の旧道に入る。このあたりは旧街道独特の雰囲気がのこっている。由比の駅が近づくと、桜えびのノボリが目立ちはじめる。chicoryn を連れてきたら旨いもの + お買い物ツアーになることまちがいなしだ。

由比駅前を過ぎて、東海道にもどってすぐ、薩埵峠の看板を目印に右折し、さらに旧道に入る。ここもまたいい雰囲気。ただ道は狭く、生活道路で近所の住人の往来も多い。ブルベ当時は走行に注意が必要だろう。

このあたりで並走している R1 は自動車専用道。由比を過ぎたところで海側にわたらなければならないが、横断歩道しかない。信号の押しボタンを押してしばらく待つ。海側は防波堤のすぐ隣の広い歩行者自転車専用道。歩行者はほとんどいない広い道。

すこし走ると駿河健康ランドが見え、ここで R1 に入る。

清水駅前。沼津 600 のコースはここで直進だけど、今日は駅前で右折して R1 をトレースする。静岡駅前を通り抜け、ゆるやかな宇津ノ谷を越え、藤枝に入ると渋滞がはじまってしまった。景色も単調。国道沿いには住宅や頂点が立ち並んでいるけど、なぜか殺風景。そう、街路樹がないのだ。道路沿いの緑と云えば、アスファルトの隙間から伸びる雑草だけ。立ち並ぶ店も車のディーラーばかり。ひどいときにはおなじメイカーのディーラーが向かい合っている。そんなに車を買うひとがいるのだろうか? いるんだろうなあ。この渋滞だし。

ひたすら直進。大津通りの信号も直進して K55/K381 に入る。大井川を越えると、金谷のちょっとした峠を越える。後ろを振り返ると、茶畑の緑と越えてきた大井川が見えた。5 年前もここで写真を撮った。

掛川へ降りると、磐田までまたひたすら真っ平ら。うむー、平坦でも飽きずに継続して踏み続けるモティヴェイションを保つ訓練が必要だなあ。今回肉体的にも精神的にも脆弱であることがわかったよ。

天竜川は浜松市外に向かって左側の県道の橋で渡って、薬新町の立体をくぐったところで左折、R1/K65 を北上する。もうすでにライヴのスタート時間は過ぎている。気分は走れメロス。K65 は北上しきったところで T 字路になっていて、県道に沿って左折、西へ。もうすぐゴールというところで半田山の壁。えいやっと登る。

ゴール付近は閑静な住宅街。会場をすぐに見つけることができず、ウロウロして、電話をかけようとしたところで看板を見つけた。走行距離は 278km だった。

店の前に GIOS を見つけると、それにくくりつけた。するとお店のひとが出てきて「ササキさんですか?」とたずねてきた。ちょうどオレのことを「東京から自転車でこのライヴに駆けつける友人がいて、なかなか到着しなくて心配している」と MC があったところだと話してくれた。チケット代はもんちゃんが出してくれていた。



もんちゃんのバンド、アクリルアパートのライヴはすでにはじまっていた。会場に入ると、MC でオレのことを知らされていた観客にえらく驚かれた。「ほんとうに来やがった」と。

会場に入るとすぐにヴォーカルのアカペラコーナーに入り、ピアニストはバーカウンターに座った。どうやらなかなか到着しなかったオレをほんとうに心配していたらしい。無事到着して泣き出してしまった。そしてそれを撮る鬼のようなオレw

ピアノの彼はおれの影響でさいきんすっかり自転車にハマっている。先週 GIOS のシクロクロスが納車され、演奏もビンディングシューズのまましていたw

演奏はあいかわらず乱暴。無骨で、よくいえばオトコらしい。もっと丁寧な演奏が好みだけど、ときどき愛撫するような旋律を織り交ぜてきて、そのギャップにやられる。丁寧な演奏ができなくて乱暴になるのではなくて、それが彼のスタイルのようだ。あいかわらず我がつよくて、演奏がヴォーカルよりも前に出ている。ヴォーカルはやりづらくないかな、と思ったけど、ライヴ後にお話したところ、どうやら彼は控えめな性格らしく、むしろそのほうがやりやすいとのこと。スキャットなんかいいんじゃないかと提案したところ、おなじようなことは前にも云われたことがあるそうな。

ライヴ終了後、自転車の前で自転車談義。さすがミュージシャン、音に敏感。出演者もライヴハウス関係者も真鍮製のベルの音やカンパ・ハブのラチェット音にえらく反応していた。

まずは 280km 近く走ってきてかいた汗を流そうと、近くのスーパー銭湯、極楽湯に案内される。

もんちゃんはええ!! 32km/h で牽きやがる。疲労困憊でついていけねえ。ちぎれそうになって、思わずスピードを落としてもらえるようにおねがいした。

風呂からあがって体重を量ったら 55kg (!)。いくら消耗していたとはいえ、身長 180cm でこの体重はまずいでしょう…。

浜松と云えば浜名湖のうなぎ。出発前から希望していたら、ちゃんとお店を調べていてくれた。



今夜はもんちゃんの別のバンド、クローバーのメンバー齋藤氏のお宅に泊めてもらう。おみやげにうなぎの白焼きを買っていく。

もんちゃんは齋藤邸にいくとちゅう、浜松祭へ案内してくれた。各町がそれぞれ出す屋台 (というらしい。山車のようなもの) が夜の浜松の街を明るく照らし出す。




つまみを買って齋藤邸へ。ここまで一睡もしていない。齋藤氏も父上もたいそう歓迎してくれた。父上はジャズドラマー。音楽一家である。自転車や装備の話に花を咲かせる。ヘルメットとサングラスを貸したら、えらく気に入っていた > 父上



父上はまだ話したがっていたけど、いいかげん疲労も限界なので、失礼させていただいた。

翌朝。疲れのためなかなか起きれない。窓の外は暗雲がたれ込めている。天気予報は高確率の雨天。サイクリングは中止だろうか。朝食をいただいて、出発。まずは万一に備えてもんちゃんのうちにカッパをとりにいく。と、早速降り出した。

しゅーりょー。

この雨の中山方面にいくのは危険という判断。もんちゃんが GIOS を買ったというイチヤサイクルセンターへ。チューブも買いたかったしね。とちゅうもんちゃんがピアノの先生をしているという生徒さんと合流。彼はもともと大学の自転車部で、もんちゃんと同時におなじ GIOS の色ちがいを買っていた。今日のサイクリングは、彼ともんちゃんとの 3 人の予定だった。残念。

帰りは新幹線で輪行。ものすごい敗北感。

尻つぼみで終わってしまったこの旅行も、前回は 1 泊 2 日かかった行程を大幅に短縮し、ヴォーカルとのからみのもんちゃんの演奏を観れたのは大きな収穫だったと思う。

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